忘れてない、ということ
少しへこんでしまっている時期、というのが誰にでもあると思う。基本的に能天気に生きているあたしも、数か月に一度、自分ってちっぽけ、とか、なんかパワフルになれない、と思うことがある。
ちょうどここのところがそんな時期で、少し元気がない状態だった。別に生活に支障が出たりはしないけど、自分て何の役に立っている?とか考えてしまったりして。
そんなときに、いつもはあんまり直接連絡をしない姉から「テレビ電話できるようになったよ!」と連絡がきて、ちょっとべらべら30分くらい話していた。なんていうことはない、近況だったり、どこも外出できなくて大変だよね、なんていう世間話。
電話で話す前、メッセージが来た時点ですでにうれしかったんだけど、顔を見て声が聞ける(それも思いもかけないタイミングで)、といのはとても温かくなれることだった。
帰国するか考えたときにも、母に電話をかけ、こちらほど事態を深刻に見ていない彼女の話口に次第に元気をもらい、ついさっきまでどうしようと思っていた不安が吹き飛んだことを思い出した。
ひとりじゃない、と思えること。さらに文字だけでなく声が聞けること。はたまた顔が見れること。特に同じ国にいないからすぐに会えない、というときにそれは本当にありがたいことだった。
それともうひとつ思い出したこと。
学生時代、友達が(どこの国か忘れたけど)留学していたとき。それなりに行ってから期間が経っていたけれど、ふと思い出して「元気?」と連絡してみた。本当になんとなく、当時はまだスマートフォンがなかったから、パソコンからのメールで。
そうしたら、たまたまその日にあらゆる失敗が重なってものすごく気落ちしていたらしい友達は、そのメール一通ですごく元気が出た、と、こちらが驚くほどうれしがってくれた。
その気持ちが今はよくわかる。
毎日顔をあわすわけじゃないから、忘れてしまうかもしれないけど、でもふと思い出してくれる人がいること。
ひょっとすると毎日近況をSNSなんかで更新していたらその感覚は得難いものなのかもしれない。毎日会ってはないけど、何してるかは知ってるよ、と思うかもしれない。
でもじゃぁ近況を更新しなかったら?覚えていてもらえるのかな。
こちらが発信していなくても、気にしてもらえてるんだな、ということ。
そして近況を知らないからこそ元気かな、と思いを馳せること。
それはとても心温まることだな、と実感した。